2011-12-19

「入域料というやり方」  観光JAPON ミャンマーに学ぶ


今回訪れたミャンマー各地の観光地では
寺や観光施設で個別に入場料を取られることがあまりない。

というのも、
その地域に入る前に入域料という名目で
地域によって5ドル~10ドルを事前に納めさせられるからだ。

地域というのは大体一つ、二つの町を内包し、
かつ観光スポットが幾つか点在するくらいの結構な広さだ。

バガンの街かど、米屋の三人娘。


例えばインレー湖畔では、ニャウンシュエの町と
インレー湖畔全域が含まれていたし、
バガンでは二つの町と、4000もの仏塔が
そのエリア内に存在することになる。

入域量はおそらく
政府の収入となるのだろう。

地域住民は宿、レストラン、お土産物、ガイド、交通などを
提供することでそれぞれビジネスを行っている。

この入域料一括徴収方式。
私は当初「域内に入るだけで10ドルか。高いな~」と
少し渋っていた。

ところが、
いざ域内を歩き回ってみると、
どこに行ってもチケットを買ったりする必要が無く、
余計な気を使わなくて済むので想いのほか楽なのだ。

それにこの方式だと町や地域単位で包括的な
観光インフラ整備が行いやすいらしい。

なので旅行者が快適に町で過ごすために
最低限且つ共通のインフラは的確な場所に揃っている。

その上で、アクティヴィティの中身に関しては
民間(といっても個人事業主)に自由競争をさせるのである。

そして、
私が感じたこの方式の最大の利点は
それぞれの観光スポットが特徴を発揮できる事だと思う。

例えば、
ある街を訪れた観光客が

「いろいろ見る所はあるけど、最低ココにだけ行けばあとは行かなくて大丈夫」

と感想を持つことがしばしばあるが、
それを

「あの街はあれも、これも、みんなオススメ」

と思えるようにしてなる、ということだ。

そのためには
隣接するお互いの観光スポットが
ただ競争だけを行っていては利益相反だけが浮き上がるし、
ましてや全体としての満足度という視点はなかなか持ちずらい。

そこに、
今回紹介した地域全体としての入域料のような仕組みが
あれば効果的に、観光スポットそれぞれの独自性を高めると同時に
観光地全体としての満足度を高める事ができるのではないかと感じた。

もちろん、
これは入域量というやり方に限らない。

例えば別府で行われている別府八十八湯温泉道は
その一つの形態だと思う。

温泉本やスパポートを購入することに、
別府への入域料を払うことと同じ意味がある。

とにかく、これまで観光地ではしばしば点同士で競っていたが、
これからの観光、特に国際観光という分野においては
点でなく、線、そして面で楽しませることが必要不可欠。

さらに、それらを文字通り織り重ねることで、
空間的・時間的に重層した観光体験を提供する。

そうすることで初めて
「あの町に、また訪れたい。」と言われるような
真の魅力を育て上げる事が出来ると感じている。

以上


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