2013-05-22

世界一周旅を終えて、今思うこと⑮ 「日本企業」について


私は
世界中で
日本の企業活動について
観察してきました。


証券マンとして
日本株を扱っていたころから、
自動車メーカーをはじめ、
世界で活躍する日本企業の
実態について知りたいと
思っていたからです。




まずはじめに言えることは
やっぱり日本企業はスゴイ!ってこと。


アジアで

ヨーロッパで

アフリカで

南米で


どこに行っても

「日本の製品がNo1だ」

と言う人に大勢出逢いました。

その要因を
いくつかに分類してみると、

①工業製品の品質に対する評価。

「日本製品ならば安心だ」

という評判は
戦後の日本のものづくりに対する
正当な評価だと思います。
それは単に技術的・性能的な評価だけでなく、
その奥底にある日本人の「誠実さ」に対する評価でもあります。

②サービスの質に対する評価。

販売時の接客のみならず、
アフターケアに至るまで
日本企業のきめ細やかさは
特に各国の富裕層から絶大な支持を
得ています。

そこには、
販売戦略以前に日本人の
育んできた「おもてなし」文化の存在が
うかがえました。

日本の一般生活の中で、
「他人さま」に出すものについての
最低限のレベルというのが、
世界的には非常に高いのです。


③経営倫理に対する評価。

企業が他国で生産活動を始めると、
どうしても独善的で画一的な手法で
従業員や顧客を支配しようとしてしまいがちです。

そういった中で、
多くの日本企業は
(上手くいっているかどうかは別として)
労使にしても、環境配慮にしても、
高い倫理観を失わずに活躍しているように
感じられました。

おおくの企業経営の哲学の中に「仁」の精神
がある国というのも非常に珍しいのです。


以上のような観点から、
日本企業の海外進出は
私たち日本人にとってだけでなく、
受入国側にとっても
必要とされているように感じました。


そういった可能性を感じるとともに

一方で、
日本企業が相対的に
出遅れている点もいくつか目につきました。

それは主に
①政官財学の連携不足

縦割り行政の弊害なのか、
訪れたいくつかの国で
日本の大使館とJETROとJICAが
似たようなイベントを別々に開催している
場面に出くわしました。

それぞれが
それぞれの現場で
最大限の努力を行ってはいるのですが、

それらを総合的に
マネジメントする機関なり意志なりが
欠けているように感じました。

この点、
韓国は非常に縦横の連携が上手くいっており、

ベトナムやラオス、カンボジアなどの新興諸国に進出する際、

まずKTVが韓国ドラマ専門チャンネルを持ち、

両国の主要大学間で留学生の定数交換枠を設け、

その上、
その国で一番高い商業ビルを韓国資本で建設する。
というような具合です。


こういった点では、
学ぶべき点が多いように思います。


②マーケティング力不足

これは単にマネージャクラスの
英語力不足という問題だけでなく、
現地の人々からすれば、
現地の市場や文化を理解する気が
無いように思われているようです。

ある東南アジアの国で言われたことは、

「欧米の企業は優秀でさえあれば
マネージャーとして現地人を採用する。
しかし、日本企業は
現地支社長といったマネージャーは
大抵英語もろくに話せない日本人だね。」

という一言でした。


もちろん、
劇的に変化している最中ではあると思いますが、
一部そういった評価があることを踏まえても、
相対的なマーケティング力不足という課題は
突きつけられているのが現状でしょう。


③不十分なパラダイムシフト

戦後日本の奇跡とも呼ばれる
経済成長は内需主導で行われたことは
言うまでもありません。

それは
人口増加と生産性拡大という
前提条件の元に実現しました。

しかし、
今でもその時の観点から
抜け出せずにいる企業も
多いのではないでしょうか?

もちろん今後
内需のある程度の再生は
期待されるし、起こってしかるべきでしょう。

しかしながら、
成熟期を迎えた国の人口は
基本的に減っていくのだとすれば、

やはり
これまでとは違う、
新たなエンジンを始動する
必要は明らかです。


そして、
そう言った、
国家的な
「パラダイムシフト」は
単にトップ経営者のうちに
起これば良いというものではなく、

おそらく
国の全体的な変化として起こって
はじめて効果を発現するものだと思います。


そういった意味で
今後やはり重要になってくるのは
新たな「教育」だと実感しています。


それは、
単に
伝統的な教育システムを
破壊することでも、
あるいは
欧米の教育システムを
受け入れることでもありません。



なので、
次は「教育」について



以上

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