さて、エジプトからトルコにやっ
てきた時のこと。
カイロを飛び立つ直前から、
下痢が酷く、体調がどんどん悪くなっていきます。
機内では、
何も口にできないくらい
体調がよろしくありません。
「まずいな。」
そうつぶやいていると、
案の定イスタンブールに到着した
ころには、クラクラしてきました。
常備している体温計で体温を測ってみると、
なんと、39,8度!!
「やばいな。本当にやばい。。」
何がやばいかというと、
この二日前カイロの宿で、
マラリアを発症した方が
いたのです。
もちろん、エジプトで
マラリアにかかる可能性は低いので、アフリカのどこかでもらっていたものが発症したのでしょう。
しかし、
アフリカを旅してきた
自分もマラリア発症を
少し警戒をしていた最中だったのです。
とりあえず、
よる術も無いので、
急遽イスタンブールの
日本人宿に向かうことにしました。
困った時は日本人の
誰かに助けて頂かなければならないと感じたからです。
宿に到着してすぐに
「あのマラリアの検査を受けたいんですけど?」
と宿のスタッフさんに尋ねると、
いくつか病院を教えてくださいました。
万が一、マラリアだったら、
早めに検査を受けて、薬を飲まなきゃいけない。
そのことだけが、
ぼーっとする頭の中を
ぐるぐる回っていました。
話は少し飛びますが、
この一年ほど前、
日本人世界一周旅行者の間に、
マラリアで亡くなったある夫妻の話が伝わりました。
実際の詳しい状況や
事実はわからないものの、
私はこの話を聞いた時に
妻とともに、
「自分達は絶対に
マラリアでは死なない。」
と誓ったのでした。
ご夫妻の死が教えてくれたことを
残っている私たちが無駄にしてはいけない。
そんな気持ちだったのです。
そういう旅人はたくさんいるんじゃないかなぁ?
という背景があるので、
マラリアの疑いがあれば
すぐに病院で検査を受ける!
という意識が強くあったのです。
話は戻ります。
強い日差しの中、
イスタンブールの街中を
公共バスを乗り継いぎ、
人に道を訪ねつつ、
タクシム広場近くの
ドイツ病院へ。
この病院は
私の加入している
海外旅行保険のキャッシュレス提携病院になっているので、
手持ちがなくても検査が受けられる、、、、、はずなのに。
「急いで、マラリアの検査を受けたいんですけど?」
と受付の方に英語で話しかけると
「?」
「いや、マラリアの、、」
「英語わかんないから。」
と、まずは冷たくあしらわれます。
こいつじゃ話にならん。
と近くを歩いていたドクターに
話しかけると今度は通じた。
ドクターが
再び受付に用件を伝えてくれます。
すると、
「あんたの保険ウチじゃ使えないよ。名前も聞いたこと無い。」
とまたしても冷たい返事。
「いや、そんなわけない、ここにおたくの病院名が載ってるよ。」
「とにかく、知らないよ。
検査を受けるにしても現金で一回払ってからにして下さいね。
まぁ、どっちにしろ、今日はお終いだから、明日の朝おいで。」
「え?嘘でしょう?
とにかく急いで見て
貰いたいんだよ。
急患扱いでいいから、
検査だけじゃなくて、実際に熱が
あるんだからお願いしますよ。」
「でも、うちは五時半までなの。
先生もみんな帰っちゃうたし。
明日おいで。」
「では、せめてこの時間から検査を受けられる他の病院を教えてくれませんか?」
と聞いても、
「知らない。もう閉まりますので。」
「!!!」
自分が精神的、体力的に
追い込まれているときとはいえ、
流石にこの冷たい
対応には怒りを覚えました。
けれど、
これ以上ここにいても仕方がない。
そこで、
宿の方に教えていただいた、
もう一つのアメリカン病院へ
タクシーで向かうことにしました。
幸いイスタンブールの
タクシー運転手は人が良く、
何も言わずにメーターで走ってくれました。
そんな当たり前のことでも
いまはとても有難い。
ついたアメリカン病院でも
まずは受付へ。
陽気なお姉ちゃんが迎えて
くれます。
「あのマラリアの検査を受けたいんですけど?」
「マラリア?何ですかそれ?」
「え?マラリアですよ。
蚊にさされて発症するやつ。
アフリカでかかるやつ。」
「マラリア、、、どんな綴り?
Googleで検索してみるわ。」
「え?綴りは正確に覚えていないな。つーか、マラリア知らないの?マラリアだよ?ビルゲイツも根絶のために動いている、あのマラリアだよ?そうか、ブラッドパラサイト、ブラッドパラサイトなら聞いたことあるでしょ?」
「いいえ、わかんないです。」
嘘じゃないんです。
結局受付のお姉さんは
マラリアのことを
本当に知りませんでした。
とはいえ、
呼び出してくれた先生が、
当然わかってくれて、
丁寧に応対してくれます。
ただ先生いわく、
「うちにはマラリア検索をする器具なんておいてないんだよ。
なので、通常の血液検査で専門家に見てもらうことになるから、少し時間がかかるよ。」
「どの位?」
「明日採血して、明々後日には結果出ると思います。」
「いや、それじゃ遅いんじゃないですか?」
「けど、それが限界なんだよ。どうする?」
結局、この日検査も治療も
受けませんでした。
保険が使えるか不確かなこと、
検査結果がでるまでに時間がかかることを考えると、いまいち確信が持てない。
なので、
一晩様子を見ることにしました。
有難いことに、
こちらの必死さを感じとってか、
対応してくれたドクターは
結局診察代を取らずに見て
くださいました。
んで、
タクシーで再び宿に戻って、
この日は寝ることに。
気休めに、
手元に残っていたマラリア薬を
三錠全て飲み干しました。
さて、翌朝、
下がらない熱を確認して、
空港で近くのもう一つの病院、
International hospitalへと向かいました。
保険会社のキャッシュレス提携
欄に名前があったもう一つの病院です。
到着して受付の女性に話かけると、案の定英語は話せない様子。
ところが、
すぐに外国人客対応専門の方を
呼んでくれました。
この方が、
気配りのできる方で、
こちらの用件もすぐに理解してくれて、担当ドクターに連絡をしてくれました。
また保険についても
日本に電話をしてまで、詳しく調べてくれたのですが、
何故かキャッシュレスサービスは使えないとのこと。
とはいえ、
保険申請に必要な書類を
全て揃えて渡してくれて、
「ごめんなさい。けど、
これを保険会社に提出すれば
費用は戻ってきますからね。」
と一言添えてくれました。
その後、ドクターの対応も
理路整然としており、
マラリアの可能性が少ないこと。
しかし、心配だろうから検査をしてくれること。
検査結果は翌日電話で確認できるように手配しておくこと。
などを、
丁寧に説明してくれました。
結局、
翌日の電話で、
マラリアでは無いことを確認。
ただし、黄疸が出ているから、
しばらくは休養をすること、
との指示をいただきました。
それを受け、
宿を出てイスタンブールの友人宅に移り、一週間に及ぶ療養をさせていただき無事復活と相成りました。
まとめ
アフリカを出ると
急にマラリアは特別な病気になります。やはり、予防薬は手元に残しておきたいですね。できれば、検査キットも。
あと、
イスタンブールで病気になったら、とにかくInternational hospitalへ!心強いですよ。
最後に、
旅の中の病気治療はやっぱり難しいです。
まして保険に入っていないと
病院で診療を受ける気持ちすら
失せてしまうと思います。
まぁ、いざとなれば
高いお金はらっても病院にいくさ。
と思っている人も
少なくないでしょう。
けどね、いざ!という時では
もう遅いのです。
やっぱり、
長期世界旅に出るなら、
海外旅行保険には入っておきましょう。と私は言いたい。
以上、
長々とお付き合いいただき
有難うございました。
次回は
世界八十八湯温泉巡り。
イスタンブール近郊の素敵な温泉場、ヤロワ温泉のご紹介です。
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