2012-08-17

「差別の温床」日本考@ルーマニア。



ルーマニアの首都ブカレストに向かうちょっと前、とある旅人から

「ブカレストは治安が悪い。」

との話を聞いた。
意地悪な私は

「どうしてそう思うのですか?」

と試しに聞き返したら、

「ブカレストにはジプシーが多いから。」

との答え。

「ジプシーが多いと治安が悪いの?」

「だってジプシーは貧しいですからね、スリとかやって生活してるんですよ。」

「ジプシーについてやたらと
詳しいけど友達でもいるんすか?」

「そりゃ、いませんよ。」

「じゃあ、今までにジプシーって人たちに会ったことはあるんすか?」

「いや、インドとかであってるかもしれないけど、、、まだ無いかな?」

「じゃ、どうしてジプシーが多いと治安が悪いって言えるんすか?」

「・・・」

と、あえて
意地悪なやり方で
質問をしてみました。

その後の空気の気まずさ、、。


もちろん、
この方になんの悪気もないのはわかっています。

ただ、何気なく、
これまでに与えられてきた情報に

ただ、なんとなく、
流されているだけなのです。


だけど、この
何気なく、なんとなく。

ってのが
本当の差別の温床なのだと実感させられています。


ブカレストに到着後、
明らかに肌の浅黒い人々と
肌の白い人々の間に生活水準の
大きな差があることを感じます。

夜中歩き回っていても、
おしゃれな飲屋街、そのバーの中にいるお客さんと、そのすぐ裏路地で何をするでもなく佇んで居る人々の間には確かに生物学的・民族学的な人種の違いがあります。

確かに、
ブカレストの社会の
際貧困層にジプシーとか、
ロマとか呼ばれる人々が
いるのです。

そして彼らの
生業が法に背く行為になることも
割合としては多いのだろうと
想像し得ます。

しかし、
想像してみてください。

彼らは
数世紀にも渡って
差別を受け続けているのです。

現在ルーマニアでは
ロマ(ジプシー)と呼ばれる人々は存在しない。というのが、政府の見解になっているそうです。

従って、
対象が存在しない以上。
彼らに対する差別や迫害も存在
し得ない、というロジックらしいです。

問題が存在しないから、
解決する必要もない。


もはや、無視です。
存在そのものの否定。


自分が、
もしこの世界に
ジプシーの子どもとして
生を受けたら、、、。

ジプシーだからという理由で
貧しく、学が無く、犯罪予備軍だとイメージングされたら?


真っ直ぐに生きて行くことが
出来るでしょうか?


もちろん、
今日ルーマニアや他のヨーロッパ諸国の人々が抱えている考えやイメージは、長い歴史の中で築かれているものですし、当事者のものです。

それについて、
どうこういうつもりはありません。

しかし、
せめて私達日本人だけは、
人を人として先入観を持たずに
真っ直ぐ見つめてあげられない
ものでしょうか?


特に世界を旅する身としては、
そんな心のフラットさを大事にしたい。

折角、
貴重な時間を使って他国を歩き回るのです。

自分の偏見に囚われて、
大切なものを見落とすよりも、

心を平らかにして、
ありのままの美しさを感じられたほうが素敵だと思います。


ブカレストの街角でみかけた
ジプシーの母子が笑顔で見つめ合う姿。

私の妻と娘がみせるそれと
なんら違いはなかったけどなぁ。


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