2010-12-19

蘇州でふと思ふこと -水辺の洗濯と博物館

白壁と黒い屋根瓦の家々が町全体に広がり、
その間を緑色の水路が流れる蘇州。

路地を歩いていると、その静かで穏やかな雰囲気に
うっとりしてしまいます。



けれど、この真冬の寒い時期に、この水路の水で
家族の衣類を手洗いしている人々をみかけると、
こちらまで震え上がってしまいます。

大きなたらいの中に川の水をくんで、洗濯板を使い
一生懸命服を洗う女性を2、3度見かけました。

蘇州は中国でもかなり発展している都市ですし、
街にはモノが溢れています。
もちろん、洗濯機がある家庭もたくさんあるでしょう。

けれど、まだまだ洗濯機を買えない家庭も
あるというのが意外でした。

**********************************

ところ変わって、蘇州博物館。
こちらは2006年に新館がオープンした新しい施設。



なんとフランスのルーブル美術館の
ガラスのピラミッドの設計にも携わった
世界的建築家、貝律銘氏がデザインしたそうな。

確かに、オシャレで個性的です。

外観は白とグレーを基調にしており、
蘇州の町並みに同調しています。



大きな中庭。



自然光をふんだんに取り入れられる通路。


しかし、蘇州博物館に来て強く感じたのは、
展示の仕方で展示物への印象がだいぶ変わる、
ということです。

というのも、蘇州博物館では、一つ一つの展示が
とても興味深く見られたのに対し、
中国三大博物館の一つ、上海博物館では
それほど関心をそそられなかったからです。

展示物の希少さや量では、上海博物館が蘇州博物館に
ひけをとるはずはないのでしょう。
となると、やはり、これは見せ方の問題?

もちろん、展示物に興味を引かれるかどうかは、
見る人の背景知識や興味の分野にも
大きくかかわってきます。

けれど、参観者により楽しんでもらい、
かつ展示物に対する理解も深めてもらうため、
展示手法を工夫することも大事なんだなと思いました。

日本でも、新しくできる博物館や美術館は、
昔からあるものと、だいぶ館内の雰囲気が違いますよね。

博物館も進化してるんだな~。

**********************************

そういえば、以前
「博物館の展示具合で、その国の文明度がわかる」
と、言っていた人がいました。

そんな視点でいろんな国の博物館を見てみるのも
いいですね。

0 件のコメント:

コメントを投稿