2012-11-23

「いま、世界を変えている日本人」 第4弾 エクマットラ 渡辺大樹さん⑦

・・・つづき

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Q.「活動を行っていく中で一番苦かったことってなんですか?」

「いつもは力抜いてやっているので、そんなに苦しいってことはないんですけどね。
ただ唯一あるのが、やっぱり、いろんな事が理由でセンター(=シェルターホーム)から子どもたちが逃げ出しちゃう。」

 
K.「なるほど」

 
「そのときにはやっぱり、オレ何のために、何やってんだろうな。って思って、かなり落ち込みますよね。」

 
K.「うん」

 
「センターのスタッフから『誰々がいなくなった!』って電話がかかってきて、みんなで捜索して、、、まぁ、私、結構見つけちゃうですけどね。(笑)」

 
K.「わかっちゃうんだ。(笑)」
 

「いままで6人ぐらいね、偶然なんですけど、見つけちゃうんですよね。」

 
K.「面白い」

 

「で『どうする?』って話をして
まぁセンターにまた戻ってきたりするんですけど。そんなことがあっても、また逃げ出したり。」

 
K.『うん。』

 
「そりゃセンターに入ってから一週間とかでいなくなったら、それはまぁしょうがないなと思いますけど、一年、二年いていなくなられると、それは落ち込みますね。」

 
K.「そうか」

 
「けど、センターには残りの子ども達がまだいるので、落ち込んでいる場合じゃないなと。」

 
K.「う〜ん、それは言い知れぬ苦しさがありますよね。決してデータなんかには現れない。」

 

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Q.「逆に一番嬉しかったことってなんですか?」

 
「やっぱり、嬉しいことは子ども達が成功体験をもったときに目をキラキラとさせるのが、やっぱり嬉しいですね。発表会なんかもそうだし、『学級委員になったよ!』とかっていう子もいるんです。歌を歌えたりとか、一芸をもっているので一目おかれるんですよね。」

 
K.「なるほど」

 
「もともと路上で蔑まれていたような子ども達が、普通の一般の子ども達が通う学校で学級委員になるんです。それを嬉しそうに言ってきたときは、やっぱり『嬉しいなぁ!』と思いますよね。」

 
K.「う〜ん、それは凄い!」

 
「あとは映画をみたりして、バングラの若い人たちが変わっていく感じに触れたときはやっぱり嬉しいですよね。ある大学で映画を上映したら、『ヒロキバイ!ヒロキ兄ちゃん!俺たちはこの気持ちをどうすればいいんだ?俺は変わる!』って熱くなって言ってくるやつとかいて。そういうのには手応えを感じますよね。」

 
K.「なるほど。あのエクマットラの「一本の線」っていう考え方ですけど、具体的にどこからどこまでをサポート、トレーニングして社会に送り出すのか?について、理想のカタチっていうのはおありになるんですか?」

 
「やっぱり最低10年生までの教育、中学校卒業資格試験に合格して、プラス、手に職っていうことで、専門的な知識とか技術ですよね。具体的には英語、それからコンピューター、それからメディアですね。いまバングラではチャンネルがどんどん増えているんですよ。」

 
K.「らしいですね。」

 
「そこでメディア分野で働ける人材が恒常的に不足してるんですよ。なので、私たちの映像制作の手伝いをしてもらって、アシスタントしての技術を習得してもらおうと。」

 
K.「なるほど。もしかしたら雇用もそこで創出できるかもしれませんね。」

 
「私は彼らに人前に出るような仕事をしてもらいたいんですよ。レストランのウェイターとかね。実はそれが啓発になっていくんです。」

 
K.「なるほどね。」


「路上にいた子どもでも、ちゃんと教育をしていったらこういうふうになれるんだ、ってね。」

 
K.「わかります。」

 
「最終的には、そういった中で一部がエクマットラのスタッフとして、子ども達の先生として戻ってきて、いま自分やシュボとかがやっていることを彼らがとって変わって、彼ら自身で運営できるように。そうすれば彼らにバトンタッチして去っていけるなって思いますね。」

 
K.「なるほど」

 
「それが15年なのか、20年後なのかしらないですけど、それができたら去っていって、そのときには第二の人生が待っているのかなと(笑)」

 
K.「待ってるんでしょうね。日本に戻りたいと思ってるんですか?」

 
「それもわからないですね。もしかしたらアフリカに行きたいと思うかもしれないし。
日本で居酒屋や経営したいなと思うかもしれないし。」

 
K.「まぁね。やりたいことはそのときにまた見つかるでしょうね。」

 

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K.「現在このレストランでは働いている人は?」

 
「いろんなところから経験者を雇ってきています。」

 
K.「じゃあ、まずはこのお店の目的は収益原として確立することですね。」

 
「そうですね。そして数年後に何店舗かもっていけたら、子ども達の就職先に。と思っていて。」

 
K.「なるほど。このインタビューを最初に受けていただいたベトナムの白井さんレストランが参考になるかもしれませんね。」

 
「あぁ、お名前聞いたことあります。」

 
K.「えぇ、そのレストランの料理やサービスも凄く素敵でね。ぜひ、機会があればお会いになってほしいなぁ。」

 

⑧へつづく・・・
いよいよ完結編!大樹さんからのメッセージ。

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