2011-11-16
「横断的で重層的な韓国の海外戦略」 カンボジアに学ぶ 日本考
ホーチミンの一番高いタワー、
ビエンチャンの一番高いビル、
プノンペンの一番高くなるはずのビル。
そのどれもが、
韓国資本によるものだという事を知って驚いている。
正直、
韓国の海外展開戦略は上手いな~、と感じている。
それは官民合同で、
ロジカルかつ、長期に渡る行動力を持って、実行されている。
その戦略は、大筋ではこんな感じだ。
①KーPOPや韓国ドラマをはじめとするコンテンツを
TVメディアを通じて発信し、まずは韓国文化をしっかりと浸透させる。
これは各国の宿で、
テレビをつけてチャンネルを回すと実感できる。
70チャンネル近い番組の中で、韓国のドラマや、音楽は
1~2割近いチャンネルで常時視聴することができる。
一方,日本の番組はNHKワールドを中心に一チャネルあるかないかである。
ちなみに、韓国の放送並みに多いのは中国国営放送だった。
②韓国語教育機関の設立、韓国人留学生の送り込みなど、
若い世代における、文化的精神的な壁を取り除く仕組みを設置する。
例えばベトナム語を学ぶのに有名な、ホーチミン人文社会大学。
ここで教鞭をとっていらっしゃる恩師に聞いたところ、
外国人向けベトナム語コースは現在、韓国人学生が圧倒的多数を占めるそうだ。
また、カンボジアでは
韓国側が出資、協力して、
原子力に関する専門的なカンボジア人研究者を育てるための
教育機関を設置しているとの話を伺った。
ここで、育った人々が
いつかカンボジアの原子力政策の一翼を担うのだとすれば、
その時、どの国の企業が有利に話を進められるだろうか?
③そして、先述したように、
その国の主要な都市に、ランドマークになるような建造物を建てる。
そこには当然、各国のトップ企業が軒を連ねることを期待されている。
以上ここまでが「お見事!」としか言いようの無い、
韓国の海外進出戦略。
翻って私達日本人が学ぶべき点はなんだろうか?
幾つかあるが、私個人は何より第一に、
「国家として一貫した戦略を継続する点」にあるように思う。
横断的で、重層的な国家戦略の運営。
現代日本はそれを行っているだろうか?
政権が変わるたびに、がらりと変わる国家戦略。
それらが災いし、もう何年も時間を無駄にしてはいないだろうか?
また、同時に盲目的な「技術至上主義」といった面もあるのではないか?
確かに日本の技術力は、素晴らしい。
それらは繊細な感性と、想像力豊かな人々にのみに
与えられたギフトだろう。
今後も、世界は日本の技術力を必要とし続けるに違いない。
それは全力で護り、磨き続けねばならない。
しかし、ほんの少し、私達自身は
そのことを過信し過ぎてはいなかっただろうか?
「日本の技術は世界一」や、
「良いものを創っていれば売れる」という職人気質の考え方は、
残念ながら現在の世界では必ずしも通用するとは限らない。
どんなに良いものでも、使ってもらわなければ
ガラクタと一緒だし、私達の生活を豊かにはしてくれない。
つまり、日本のモノづくりは「良いものだからこそ、多くの人に届けたい」
という想いと交わり、しっかりと世界中の人々に買ってもらってこそ、
真の価値が発揮されるように思うのである。
しかし、この点に関して
私自身は悲観的ではない。
なぜなら、いま世界各地で出逢う多くの日本人の若者が、
みな例外なく「内向き志向」の自分達を変える必要を訴え、
日本を飛び出しているからだ。
彼らは既に、気付き
自分自身を変える事から始めている。
エリート教育とは全く違う次元だが、
そんな逞しい彼らが日本のセールスマンになることが、
大きなカギになり得ると感じている。
以上
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