2011-09-10

「はみ出し者」こそ、日本の宝モノ! ベトナムから学ぶ④ 日本考~100年先を見据えて、30年後を創る~ 

 いきなりだけど、
私が中学生のとき、校則に「靴は白。」というものがあった。
なので私を含め、ほとんどの生徒は何の疑問ももたず、白い靴を履いて、
毎日通学していた。

しかし、「不良」と呼ばれた友人達は違った。

白に一本だけラインの入った靴(コンバースのスニーカーみたいな)を
事あるごとに履いてきては先生に怒られ、けど、また履いてきて、怒られ。
と繰り返していたのだ。

そんな些細なことだが、
多くの教師から校則もろくに守らない彼らは、
不良という「はみ出し者」のレッテルを張られた。
その結果、いくら才能があっても次第に学業成績自体も振るわなくなっていく。
(実際、自分の周りの不良と呼ばれた友人には頭のキレるやつが多かった。)

すると、進学率も下がってきて、結果として大人になった今
いわゆる大きな会社で、大きな仕事をする機会にはなかなか恵まれていない。


しかし、いま振り返って冷静に考えてみると、
実は正しかったのは「不良」と呼ばれた友人達だったように思えてならない。

なぜなら未だに「靴が白」でなければならなかった理由なんて思いつかないからだ。

むしろ、言われたことに何の疑問ももたず、
ただ盲目に従っていた私たちの方が恐ろしい。

もちろん「不良」と呼ばれていた彼らも、論理的に考えて
そのような行動に出ていたわけではないだろう。
ただ直感でその疑問を感じ、それを行動に移すだけの
エネルギーが満ち溢れていたのではないだろうか?

そして、いま日本社会が本当に必要としているのは
彼らのような人財ではないだろうか?と思ったことがある。





そして私は、現在、ここベトナムでの旅を通して似たような思いをもつようになった。

ご存知の方も多いかもしれないが、
いま、ここベトナムには多くの日本の若者が単身で渡ってきている。
彼らの多くは日本従来の「大学三年生から就職活動」や
「会社に入ったら定年まで勤めて」といった固定観念に縛られない若者たちだ。

友人の言葉を借りれば「カネなし、コネなし、経験なし」の状態で
半ば開き直ったかのように異国へ突撃をしている。

そして多くの日本の大人(中高年層)から見れば、
彼らの姿はとても不安定で、ともすれば無責任なモノに映るかもしれない。

しかし、私の意見は違う。
彼らにこそ、近い将来の日本の原動力としての可能性を感じずにはいられない。
なぜなら彼らの直感と行動力そのものに高いポテンシャルが見え隠れするからだ。

もちろん彼ら自身にも論理的な戦略があるわけではない。
しかし、彼らは本能的に『このままではダメだ』『何かがおかしい』
と直感し、それを行動に移しているのだ。

そう、まるでかつての不良たちのように!!


結論として、私が言いたいことは以下の一点に限る。

それは上記の様な「はみ出し者」達を『落後者』として見るのではなく、
直感と行動力に溢れたエネルギッシュな『人財』として見る事が大切。

ということだ。

もちろん、単にはみ出していれば良いわけでも無いし、
はみ出さない人が悪いわけでも無い。

しかし「はみ出し者」を最初から落後者として決めつけて見るのは、もう止めよう。
あまりに勿体無い!!

少なくとも私自身が旅の中で出逢った日本の「はみ出し者」達は
強烈な人間的魅力を放っている!
そんな彼らが活躍する日本の将来を想像すると、
ワクワクしてきませんか?

だから、いま私は
日本にとっては「はみ出し者」こそ宝モノだ!そう思って止まないのです。


以上

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